AIG損保の自動車保険(AAP)7つの特徴とは?

自動車保険トピックス

2018年1月に誕生したAIG損保の自動車保険「(AAP)家庭用総合自動車保険」は。旧富士火災の自動車保険をベースとして開発されましたが、AIU損保の自動車保険の特徴も取り入れられていて、いわゆる2社の「良いとこ取り」の自動車保険になっています。

AIG損保の自動車保険(AAP)は、対人賠償保険や対物賠償保険、人身傷害保険、車両保険などの基本補償をしっかり押さえたうえで、他の自動車保険にはない、独自の特約などがあり、非常に特徴のある商品です。

対歩行者等事故傷害特約

被保険者が車の走行により、歩行中や自転車乗車中の方を死亡させたり、ケガにより入院させた場合に、対人賠償保険で補償されない相手方の過失部分までを含んで損害を補償する特約です。

例えば車と自転車が交差点で衝突した事故の場合は、自転車側にも過失割合(責任割合)が発生することがあります。

信号機のない交差点で、自転車側に一時停止標識があり、一時停止をしないで進入した事故

過失割合 車と自転車が交差点で衝突した事故

上記のような交差点事故の場合、車と自転車の基本過失割合は、自転車Ⓐ 40:車Ⓑ 60となります。

参考記事:自転車と四輪車 交差点事故の過失割合

もし自転車に乗車していた人が大ケガをして、500万円の損害が発生した場合、対人賠償保険の支払いは以下の通りとなります。

被害者に40%の過失がある場合の保険金支払い

このような事故でも「対歩行者等事故傷害特約」が付いていると、被害者の自己負担分まで含んで、損害額全額が支払われますので、事故の解決が長引かずに済みます。

人身傷害保険の補償範囲が他社より広い

一般的な人身傷害(搭乗中のみの補償に限定しない場合)は、契約している車の他に、他人の車に搭乗中や歩行中の自動車事故を補償していますが、AIG損保のAAPの人身傷害保険は、自転車などの交通乗用具に乗車中の事故や、駅の改札口内などのケガも補償対象になっています。
他の自動車保険では、特別な特約に別途加入する必要がありますが、AIG損保のAAPでは標準装備となっています。

自宅・車庫等損害特約

自動車保険の対物賠償保険は、車でぶつけて壊した物の所有者が以下の場合は支払い対象にはなりません。

  • 記名被保険者(本人)
  • 契約している車を運転中の人またはその配偶者・両親・子供

*保険会社によっては、「契約している車を運転中の人またはその配偶者と同居している場合」に限定している場合があります。

このことから、自宅の車庫などにに駐車しようとして、自宅や車庫などにぶつけて破損させた場合は、修理費などが対物賠償保険で支払い対象にならなかったのですが、この「自宅・車庫等損害特約」を付けていると、支払い対象になります。(50万円が限度・保険期間中1回が限度)

但し、3等級ダウン事故となりますので、自動車保険の更新が来ると、等級が3等級ダウンして保険料が高くなってしまいます。

対物事故時の自車修理10万円限度特約

車両保険を付けないで、対物事故を起こしてしまうと、自分の車の修理費が、自分の過失分は自己負担となってしまいますが、この特約を付けていると、10万円までの修理費を支払ってもらえます。(対物賠償保険が支払われる場合に限ります)

支払われる保険金は以下の通りです。

契約している車の損害が修理不可能の場合(いわゆる全損の場合)
契約している車の時価額 +実際に負担した損害防止費用などの約款に定める費用

契約している車が修理可能の場合
損害の額(修理費など) +実際に負担した損害防止費用などの約款に定める費用 - 1万円(自己負担分)
但し、どちらも10万円が限度となります。

保険料が高くて、どうしても車両保険に加入できない場合には、付けておきたい特約です。

支払い用カード・個人情報不正使用被害等補償特約

この特約は、個人情報やクレジットカード、キャッシュカード等の不正使用により、以下の損害に対して保険金が支払われます。

クレジットカードやキャッシュカードなどの不正使用による損害
金銭的損害
損害額から免責金額3万円を差し引いた額を100万円まで補償
弁護士費用
弁護士に支払うべき費用から免責金額3万円を差し引いた額を300万円まで補償
法律相談費用
1回の法律相談につき1万円(1事故につき5万円まで)を限度に補償

「途中ねらい」による損害
金銭的損害
損害額から免責金額3万円を差し引いた額を200万円まで補償
ケガなど
死亡時 一律100万円
入院時 入院日数に応じて2万円から10万円
通院時 通院日数に応じて1万円から5万円

途中ねらいとは、金融機関でお金を下ろした直後に声をかける等で注意をそらし,金品を盗む窃盗の手口のこと

尚、この特約だけを使って保険金請求する場合は、「ノーカウント事故」となりますので、等級に影響がなく、契約の更新後に保険料が高くなりません。

車上ねらい被害費用特約

契約している車の窓ガラスまたはキーシリンダーが車上ねらいにより被害を受けて、修理が必要な状態になった場合に、1事故につき一律3万円(保険期間中1回まで限度)が支払われる特約で、自動セットとなっています。

*この特約だけの保険金請求は、「ノーカウント事故」となり、等級に影響しません。

AIG損保のロードサービス「ロードレスキュー」と「ロードレスキューミニ」

AIG損保の自動車保険で提供されるロードサービスは、残念ながら無料のサービスではなく、特定の特約に加入することで利用することができます。

ロードレスキュー

ロードレスキューは、「車両搬送費用特約」と「車両搬送時諸費用特約」に加入した自動車保険に提供されるロードサービスで、対象となるサービスは以下のとおりです。

  • レッカー・搬送業者などの手配
  • 現場応急対応
  • 修理後車両運搬業者の手配
  • 臨時帰宅手段・宿泊施設のご案内

ロードレスキューミニ

ロードレスキューミニは、「車両搬送費用特約」に加入した自動車保険に提供されるロードサービスで対象となるサービスは以下に限定されます。

  • レッカー・搬送業者などの手配
  • 現場応急対応

 

レッカー・搬送業者などの手配とは
ご契約している車が事故や故障などで自力不能の立った時に、搬送するレッカー・搬送業者を手配してくれたり、落輪した場合に、クレーン等で引き上げる業者を手配してくれるサービスです。

 

現場応急対応とは
次のような場合、サービスカーが現場に駆けつけます。
バッテリー上がり(年1回)、パンク(スペアタイヤ交換)、鍵閉じ込み(シリンダーキーの場合)、ガス欠(燃料10ℓ限度、年1回)、オイル・冷却水補充(3千円限度)、30分程度の応急修理など

修理後車両運搬業者の手配とは
「レッカー・搬送業者などの手配」を利用して、契約している車を修理工場へ搬送し、修理完了後に車を引き取る場合、運搬業者を手配してくれます。

臨時帰宅手段・宿泊施設のご案内とは
レッカー・車両搬送により、臨時に帰宅・宿泊が必要となった場合に、帰宅手段・宿泊施設を探して案内してくれます。(宿泊費用や臨時帰宅費用及び修理完了後の車の引取りは「車両搬送時諸費用特約」で補償されます。

パッケージ商品「ベリエスト」と「ミューズ」

AIG損保の自動車保険は、特定の特約をパッケージした商品である「ベリエスト」と「ミューズ」の2種類を主に販売していて、それぞれの商品ごとに専用のサービスが提供されます。

ベリエスト

AIG損保のベリエスト

AIG損保のHPより引用

ミューズ

 

また、「ベリエスト」に【人身傷害諸費用特約】をセットしたご契約は「ベリエストミューズ」となり、次の7つのサービスをご利用いただけます。

AIG損保のベリエストミューズ

AIG損保のHPより引用

まとめ

AIG損保に自動車保険(AAP)は、合併したAIU損保と富士火災の自動車保険の「良いとこ取り」したものとなっていますが、もともとAIU損保も富士火災も顧客満足度のランキングが上位にランク付けされていましたので、AIG損保の自動車保険も満足度の高い自動車保険になることでしょう。

ただし、残念なことに、2社の自動車保険の良いとこ取りをしていることが影響して、少し特約のラインアップが複雑化していて、契約者には少しわかりにくい面があります。

また、ロードサービスも無料ではなく、特定の特約に加入しないと、サービスが提供されない点が残念な気がします。

合併して間もない会社なので、これからどんどん進化して、より顧客満足度の高い自動車保険に変わっていくことを期待したいですね。

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