1等級になると自動車保険に加入できなくなるって本当?

自動車保険の等級制度

自動車保険には、加入しているの事故歴で保険料が割引になる「等級制度」がありますが、過去の事故歴により、自動車保険に加入できなかったり、加入する条件が制限される場合があります。

事故を起こした場合に適用される等級は?

自動車保険の等級制度では、事故の形態により、「3等級ダウン事故」と「1等級ダウン事故」、「ノーカウント事故」の3種類があります。

たとえば、現在7等級の人が「3等級ダウン事故」を2回起こすと、更新後の等級は「1等級の事故有り係数期間6年」が適用されてしまいます。

自動車保険の等級が7等級から20等級なら、どの保険会社でも無条件で引き受けてくれますが、5等級以下の等級では、引き受けを拒否されたり、加入できる補償が限定される場合があります。

参考記事:自動車保険の等級制度とは

1等級から5等級の場合の取り扱い

事故を起こして、自動車保険の等級が1等級から5等級になってしまった場合は、以下のような加入の条件が付けられる可能性があります。

1等級になった場合

1等級になってしまった場合は、同じ保険会社で継続手続きをする場合でも、車両保険の加入を拒否されたり、更に対物賠償保険に免責金額(自己負担)を設定されるなどの条件を付けられることがあります。

また、1等級では保険会社を変更しようとしても、引き受けてくれる保険会社はほとんどありません。

2等級から5等級の場合

2等級から5等級になってしまった場合は、保険会社により大きく異なりますが、車両保険の加入を拒否されるなどの条件は付かず、そのまま同じ条件で加入できる可能性があります。

この2等級から5等級の加入については、保険会社や加入している代理店により取り扱いが異なりますので、加入している保険会社か、加入を予定している保険会社に照会してみる必要があります。

1年間に2回事故を起こすと引き受けてもらえない?

事故を起こして1等級から5等級ではなく、6等級以上でも、1年間に2回以上の事故を起こした場合に、加入する補償内容に制限が付けられる場合があります。

その理由は、交通事故を起こす人は連続して起こす傾向があり、特に高齢者については、認知機能が低下していることがから、事故を多発してしまう可能性が高く、保険会社が引き受けたがらないのです。

高齢者が起こす交通事故は、高速道路を逆走したり、ブレーキとアクセルを踏み間違えたり、その被害が大きくなる傾向があります。

特にダイレクト型の自動車保険の場合、1年間で2回以上事故を起こした人は、インターネットで保険料の試算ができなくなっています。

保険会社名2回事故の見積り可否
三井住友海上 可
東京海上日動 可
あいおいニッセイ同和 可
損保ジャパン日本興亜 可
ソニー損保 不可
アクサダイレクト 不可
チューリッヒ 不可
SBI損保 不可
そんぽ24 不可
セゾン自動車火災 不可
イーデザイン損保 不可
三井ダイレクト 不可

1等級になってしまったらどうしたらいいの

それでは、1等級になってしまったらどうしたらいいのでしょうか

自動車保険の等級や事故歴などは、損害保険業界共通の「情報交換制度」で厳しく監視されています。

この「情報交換制度」は、自動車保険の等級を保険会社を変えても使えるというメリットがある反面、1等級などの事故を起こした履歴を隠して自動車保険に加入しても、契約後にバレてしまう不利な面があります。

情報交換制度の概要

①情報交換制度加入会社は、満期・解約・解除された契約のうち、1等級から5等級を引き継いだ契約を情報交換制度のネットワークセンターに報告します。

②純新規契約(6S等級、6F等級、7S等級)を引き受けた損害保険会社(共済)は、情報交換制度のネットワークセンターに報告します。

③ネットワークセンターでは、報告された純新規契約の「登録番号」「車体番号」「記名被保険者」「記名被保険者の住所」について、①で報告されていなかった契約を情報交換制度に加入している損害保険会社に照会します。

④「登録番号」「車体番号」「記名被保険者」「記名被保険者の住所」のどれかが一致した契約を発見した損害保険会社は、ネットワークセンターにデータを送信します。

⑤ネットワークセンターは④の結果を②の純新規契約を引き受けた損害保険会社に報告します。
この流れで、1等級から5等級の契約は監視されているのです。

1等級になってしまった時にできること

もしも自動車保険の1等級になってしまった場合には、2つの対策があります。

1年間事故を起こさないように注意する

1等級になってしまうと、ほとんどの保険会社は引き受けを拒否したり、加入できる補償を制限したりしますが、保険会社を変えずに同じ保険会社で契約を更新すると、引き受けを拒否せずに、対人賠償保険と対物賠償保険だけは、最低限引き受けてくれます。

これは、自動車保険の加入自体を拒否した結果、無保険で走行する車が事故を起こしてしまうリスクを回避するためで、保険会社としての社会的責任として引き受けざるを得ないからです。(引き受けない保険会社も存在します)

1年間安全運転につとめ、無事故で2等級にランクアップすることで、通常の補償内容での加入が可能になります。

13か月間自動車保険に加入しない

1等級から5等級の情報交換制度での履歴は、13か月経過するとリセットされるため、自動車保険を満期で更新しなかった満期日や、解約した日から13か月経過すると、全てリセットされますので、通常の純新規(6S等級や7S等級)で契約することができます。

参考記事:自動車保険の事故歴は13か月でリセットされる?

損害保険会社の「引き受け稟議制度」とは

自動車保険の等級が1等級から5等級になってしまうと、保険会社は契約の引き受けを拒否したり、加入できる補償内容を制限したりしますが、例外的に加入する補償内容を制限しないで引き受ける場合があります。

これは、契約を引き受ける代理店や営業現場から、特別に引き受けを制限しないよう、社内的に「引き受け稟議」という申請を行い、承認がおりた場合に例外的に引き受ける制度です。

主に代理店型自動車保険で行われている制度で、以下のような契約者情報を参考に行われます。

  1. 契約者の過去の事故内容(悪質かどうか)
  2. 他に優良契約があるか
  3. 大口契約者の関係者かどうか
  4. 今後の交通事故の発生予想(再発しないかどうか)
  5. 損害保険会社としてその契約を引き受けることのメリット など

まとめ

自動車保険は事故を起こして保険金を請求すると、翌年の保険料が大幅に高くなりますが、あまり頻繁に事故を起こすと、加入している自動車保険の等級が下がり、保険会社が引き受けを拒否したり、加入できる補償内容を制限したりします。

もちろん自動車保険は、「もしも」のために加入する保険ですから、契約している限り、事故で保険金を請求する権利はあるのですが、損害保険会社も民間の営利企業であり、全ての契約を引き受けてくれるわけではありません。

平成27年の10月の等級制度が改定されて、事故を起こした人の保険料が、より高くなってからは、事故を起こしても、保険金請求額が少額な場合、保険会社の事故処理担当者から保険を使わずに解決することをアドバイスされるようになっていますので、数万円の支払いなら保険を使わないことも検討しましょう。

 

 

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