地震による被害で自動車保険が払われる場合と払われない場合とは?

2022年地震保険料改定 自動車保険トピックス

2018年6月18日午前7時58分ごろに大阪府北部を震源として、最大震度6弱の地震が起き、19日現在大阪府などで5人が死亡し、6府県で300人以上が負傷しました。

大阪府の松井知事は自衛隊に災害派遣を要請し、避難所の設置・運営などの費用を国と府が肩代わりする災害救助法を13市町に適用することを決めた。

大阪府の震源地付近では、住宅火災が数件発生したのに加え、多くの家屋や家財にに地震の揺れによる被害が発生しています。

また、地震発生時間が午前7時58分の通勤時間であり、走行中の車による交通事故も多く発生していることが懸念されています。

ここでは、今回の地震による被害に、加入している自動車保険がどこまで対応してくれるのか考えてみます。

自動車保険は一部の特約に加入している場合を除き、地震や津波が原因の事故は、全て保険金支払いの対象外(免責)となっています。

担保種目地震津波
対人賠償保険免責免責
対物賠償保険免責免責
人身傷害保険免責免責
車両保険一部の特約を除き免責一部の特約を除き免責
ロードサービスサービスの対象外サービスの対象外

地震が発生した時の事故については、発生した地震と事故の因果関係の有無などにより、支払い対象になるかどうかが判断されます。

対人賠償保険・対物賠償保険

事故例1
高速道路を走行中に地震が発生し、地震の揺れによりハンドルを取られ、前方を走っていた車に衝突して相手のドライバーがケガをした。
⇒地震の揺れが原因のハンドル操作ミスであり、保険金の支払い対象外です。

事故例2
被災地から避難するために道路を走行中に、徒歩で避難している人をはねてしまった事故
⇒地震が直接の原因ではなく、前方不注意やハンドル操作ミスが原因であり、保険金の支払い対象です。

事故例3
走行中に地震が発生し、ハンドル操作をミスして、前方を走っていた車に衝突して損害を与えた。
⇒地震の揺れが原因のハンドル操作ミスであり、保険金の支払い対象外です。

人身傷害保険

事故例1
走行中に地震が発生し、車を止めたところ、道路わきの壁が倒壊して下敷きになり同乗者がケガを負った。
⇒地震が原因の壁の倒壊であり、保険金の支払い対象外。

事故例2
高速道路を走行中に地震が発生して、高架が崩れ車ごと高架下に落下した。ドライバーを含め同乗者全員が負傷した。
⇒地震が原因で高架が崩れたので、保険金支払いの対象外です。

事故例3
地震発生から10日が経過した後に、道路が陥没しているのに気が付かず、タイヤが脱輪して、同乗者がケガを負った。
⇒地震発生から10日以上経過しており、地震が直接の原因とは言えず、保険金の支払い対象です。
*地震発生からどのくらい経過すれば、事故との因果関係がないと判断されるかは、保険会社で判断が異なります。

車両保険

事故例1
地震により道路わきの住宅から瓦(その他建造物からの落下を含む)が落下して車にあたり、ボンネットが損傷した。
⇒地震が直接の原因であり、保険金の支払い対象外です。

事故例2
地震により倒れた電柱に衝突して車が損傷した。(地震発生直後)
⇒地震により電柱が倒れているので、保険金の支払い対象外。

事故例3
地震発生から数日後、道路を走行していたら、液状化土砂でスリップしてガードレールに衝突した。
⇒ドライバーの運転操作ミスが事故の直接の原因であり、保険金支払いの対象になります。(地震発生直後であれば保険金支払いの対象外)

事故例4
地震発生直後に住宅が火災を起こし、止めてあった車が焼失した。
⇒地震により火災が発生して車が焼失した場合は、地震が原因の事故(損害)であり、保険金支払いの対象外。

事故例5
地震発生後建物の下敷きになった人を救出するために、作業の妨げとなっていた車を移動した時に破損した。
⇒救出作業のための移動であり、地震発生と直接関係がないので、保険金支払いの対象になります。

事故例6
地震発生で渋滞したので、車にキーを付けたまま避難したら、何者かに車を盗まれた。
⇒車の盗難自体は地震発生と直接関係がないので、保険金支払いの対象となります。

事故例7
走行中に地震が発生して、フロントガラスが落下物で破損したために視界不良でガードレールに衝突した。
⇒地震による落下物が原因の事故であり、保険金の支払い対象になりません。

事故例8
一度鎮火した建物火災が強風により再燃して燃え広がり車に燃え移った。
⇒地震により発生した火災の再燃であり保険金支払いの対象外。

事故例9
地震により発生した津波に住宅と一緒に流された。
⇒地震・噴火・津波が直接の原因の事故は保険金支払い対象外。

自動車保険の補償内容の中で、唯一地震が原因の損害を補償しているのは、車両保険に特約として加入する「地震・噴火・津波危険車両全損時一時金特約」だけです。

車両保険が地震や津波でも補償される唯一の特約とは?

まとめ

自動車保険に限らず損害保険は、火災保険で加入する地震保険や海外旅行保険を除き、ほとんど地震が原因の損害について、保険金が支払われません(免責規定あり)

特に自動車保険は一部の特約を除き、地震で被った損害については、全く役に立ちませんので、普段から駐車場所や地震発生時の対応には注意を要します。

事故の状況によっては、地震発生と直接関係のない場合は保険金支払いの対象となりますが、保険会社で対応が異なりますので、加入している自動車保険の事故担当者に相談してみましょう。

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