自動車保険が9%も安くなる自動ブレーキ割引とは?

自動車保険の等級制度

2018年1月1日から開始する自動車保険に導入される、「自動ブレーキ割引(ASV割引)」とは、一体どんなものなのでしょうか?

自動ブレーキ割引(ASV割引)導入の背景

2017年8月28日トヨタは、運転支援システム「Toyota Safety Sense」を装着する「プリウス」は非装着車と比較して、追突事故が半減したと発表しました。

交通事故が発生する主な原因は、「漫然運転」「脇見運転」「運転操作不適」「安全確認の不足」であり、いずれも、ドライバーのうっかりミスですが、劇的に進化している運転支援システムが装備されていれば、交通事故は確実に減少します。

2016年の新車販売に占める衝突被害軽減ブレーキ(以下AEB)が装着されている車の割合は約45%であり、今後は全ての車に標準装備されることが予想されます。

AEBの普及により、交通事故が減少した結果、自動車保険の支払いも減少していますので、AEBを装着している車の保険料を割り引くことになりました。

AEBとは
Automatic Emergency Braking(衝突被害軽減ブレーキ)の略で、車が前方の障害物との衝突を回避するため、または衝突速度を下げるために、自動的にブレーキをかけるシステムのことです

ASVとは
Advanced Safety Vehicle(先進安全自動車)の略で、衝突被害軽減ブレーキ(AEB)などの装置を搭載した自動車のことです。

国産メーカー各社のAEB

  • トヨタ 「Toyota Safety Sense」
  • ホンダ 「HONDA SENSING」
  • 日産  「エマー ジェンシー ブレーキ」
  • マツダ 「i-ACTIVE SENSE」
  • スバル 「EyeSight」
  • ダイハツ「スマートアシスト」
  • スズキ 「デュアルセンサーブレーキサポート」

自動ブレーキ割引(ASV割引)の適用条件は?

自動ブレーキ割引は、自家用普通乗用車と自家用小型乗用車及び自家用軽四輪乗用車が対象で、適用される条件は以下の通りとなります。

自家用普通乗用車・自家用小型乗用車

自動車保険に加入する車が発売された年度(4月から翌年3月まで)に3を足した年の12月末までの期間に、自動車保険がスタート(保険始期)する契約に適用されます。

2017年4月に発売された車の場合は、2020年12月末までにスタートした自動車保険が対象になります。

割引が3年間しか適用されない理由

自家用普通乗用車と自家用小型乗用車は「型式別料率クラス」が適用されていて、その車種の事故率などが保険料に反映されていますが、発売されてすぐに反映されず、十分に反映されるまでに3年間ほど必要になりますので、それまでの3年間だけ自動ブレーキ割引(ASV割引)を適用することになります。

型式別料率制度のしくみ
型式別料率制度とは
自動車保険の保険料を決めるのに、損害保険会社各社は、「損害保険料率算定機構」が出している「参考料率」を基準にしていますが、「参考料率」では、様々な種類の車が存在する自家用普通乗用車と自家用小型乗用車の2車種について、それぞれの車の「型式」の特性やユーザー層等の特性により、保険料のランクを決めています。

この型式ごとに適用する保険料のランクは、毎年1月に過去3年間の事故などによる支払い実績などで、クラスの見直しを行っています。

尚 現在自家用軽四輪乗用車には、型式別料率制度は適用されていませんが、2020年1月から導入が予定されています

自家用軽四輪乗用車

自家用軽四輪乗用車の場合は「型式別料率制度」が適用されていないため、契約する車の発売年度にかかわらず、自動ブレーキ割引(ASV割引)は適用されます。

但し、2020年1月に自家用軽四輪乗用車に「型式別料率制度」が採用されれば、割引適用期間が3年になります。

自動ブレーキ割引(ASV割引)の適用可否の判断基準

自動ブレーキ割引(ASV割引)の適用を受ける場合は、自動ブレーキが付いているかどうかの自己申告ではなく、加入する車の「車体番号」で判断されます。

車体番号で自動ブレーキの有無が判明する?

自動車保険に加入する車に自動ブレーキが装備されているかどうかは、「一般財団法人自動車検査登録情報協会」のデータに登録されている情報をもとに、車体番号で機械的に判断されます。

まとめ

今のところ自動ブレーキ割引が適用されのは、自家用普通乗用車や自家用小型乗用車、自家用軽四輪乗用車の3車種だけですが、その他の車種でも自動ブレーキ割引はどんどん導入されています。

自動ブレーキによる事故の減少は、割引が始まる3車種に限定されている訳ではなく、大型トラックや貨物車などにも装備され始めています。

今後は順次全ての車種に自動ブレーキ割引が適用されてくると思いますが、損害保険会社にとって自動車保険の9%割引は、大きな売り上げダウンにつながり、経営難に直結するため、なかなか急激には対象車種は増えていかないと思われます。

 

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