自動車保険に加入する場合に必ずでてくる「等級」という単語。
普段あまり使わない単語ですが、保険料を決めるのに非常に大きな意味を持っています。
目次
自動車保険の等級制度とは
等級制度とは、自動車の保有台数9台までの契約者(個人・法人問わず)に適用される割引・割増制度で、正式には「ノンフリート等級別料率制度」といいます。
この等級制度は、1から20までのランク(等級)および‘「無事故」 「 事故有」の区分による保険料の割引・割場率が決まっていて、保険料に大きく影響します。(表2)
この制度の特徴は
①等級は1から20等級までのランクがあり、契約歴のない人は通常6等級から始まる。
②保険に加入して1年間事故がなく、満期を迎えた場合、次年度1等級ランクアップする。
③1年間の保険期間保中に事故があり、保険金を請求した場合、3等級ダウンします。
④事故の種類によって、「3等級ダウン事故」と「1等級ダウン事故」及び事故にカウントしない「ノーカウント事故」がある。
⑤事故により等級がダウンした場合、「事故有係数期間」が適用され、3等級事故では3年間及び1等級事故では1年間保険料負担の多い割引率・割増率が適用される。
〇ノーカウント事故
1回の事故によって、請求する保険金が「人身傷害補償保険」や「弁護士費用」等だけの場合(保険会社により取り扱いが異なります)
〇1等級ダウン事故
「車両保険」の請求で、事故の原因が
火災・爆発・盗難・台風・竜巻・洪水・高潮・度ガラスの破損(飛来物や落下物が原因の場合のみ)・いたずら等(保険会社により取り扱いが異なります)
〇3等級ダウン事故
ノーカウント事故及び1等級ダウン事故に該当しない事故
〇「事故あり」の等級の継続期間の例
3等級ダウン事故の場合
3等級ダウン事故なら次年度の契約から3年間、「事故あり」の等級が続きます。
1等級ダウン事故の場合
1等級ダウン事故なら次年度の契約から1年間、「事故あり」の等級が続きます。
事故有り係数期間とは
事故有り係数期間とは、事故で保険金を請求すると、等級がダウンするだけでなく、事故有りの高い保険料が適用されます。
- 「3等級ダウン事故」なら、次年度の契約から3年間
- 「1等級ダウン事故」なら、次年度の契約から1年間
3等級ダウン事故1回と1等級ダウン事故1回を起こした場合は。3+1で4(4年間)になります(6が上限)
初めて自動車保険に加入する場合
今まで自動車保険に加入したことのない人は、6等級 (S) を適用し、運転者年令条件 に応じ、(表1)の6等級 ( S) の割増引率を適用します。 また、事故有係数期間はO年となります。
セカンドカー割引(複数所有新規制度)
既に 11等級以上の自動車保険契約があり、2台目以降の車を新たに契約する場合 、「セカンドカー割引」の条件を満たすと、7等級 ( S) を適用し、運転者年令条件に応 じ、(表1)の7等 級{ S) の割増引率が適用されます。
また、事故有係数期聞 はO年となります。
まとめ
平成24年10月1日から適用された「事故有係数期間制度」により、保険金を請求した場合の保険料負担が大幅にアップしました。
このため、少額の請求は保険料の負担増とのバランスで、少額な保険金請求なら保険金を請求しないことも考えましょう。(目安としては、保険金支払額が10万円程度)
その場合でも事故の相手との示談交渉は保険会社でやってくれます。
【表1】新たにご契約される場合の割増引率
等級 | 年齢条件 | ||||
---|---|---|---|---|---|
全年齢補償 | 21歳以上補償 | 26歳以上補償 | 35歳以上補償 | ||
6(S) | 割増引率 | 28%割増 | 3%割増 | 9%割引 | 12%割引 |
7(S) | 割増引率 | 11%割増 | 11%割引 | 40%割引 |
【表2】継続して契約される場合の割増引率
事故有係数適用期間が0年の場合は「無事故」の割増引率、1年~6年の場合は「事故有」の割増引率を適用します。