交通事故に遭った場合、約30%は「もらい事故」なので、事故の相手が加入している自動車保険で、100%補償してもらえますが、残りの約70%は自分にも過失(責任割合)が発生します。
そんな時に役に立つのが、「車両保険」ですが、車両保険に加入している人の割合は、自動車保険に加入している人の60%程度なので、残りの約40%の人は、自分の車の修理費のうち、自分の過失分は自己負担になります。
交差点事故の場合は車両保険が必要
交通事故で最も多いのは、交差点での事故ですが、相手が赤信号無視などの特別な場合を除き、ほとんど自分にも過失(責任)が発生しますので、車両保険が役に立ちます。
自分が交差点を直進していて、相手が一時停止のある道路から進行してきた事故の例では、過失割合(責任割合)以下のとおりとなります。
この事故で自分の車の修理費が100万円かかるとすると
車両保険に加入していない場合、車の修理費は自分の過失分が自己負担となります。
車両保険に加入していると、自己負担なく車を修理することができます。
自爆事故なら修理費は全額自己負担
車両保険に加入していないで、電柱やガードレールなどに衝突する自爆事故では、誰からも賠償されないために、車の修理費は全額自己負担になります。
車のローンを払っている人が、車両保険に加入しないで、自爆事故や自分が大きな過失のある事故を起こして、車の修理費が払えず、車を手放してしまったり、修理費や買い替え費用のために、更にローンを組んで、いわゆる「二重ローン」になる可能性があります。
車両保険は、加入するタイプで自爆事故が補償される「一般条件(オールリスクタイプ)」と限定補償タイプがありますが、自爆事故も補償される一般条件タイプに加入しておきましょう。
*損保ジャパン日本興亜のHPより引用
車の盗難はまだまだ発生している
最近はイモビライザーが普及してきましたので、車の盗難被害は減少してきましたが、都市部を中心にまだまだ盗難被害は発生しています。
車の盗難は、『自宅の駐車場に停めているから大丈夫』と思いがちですが、自宅の駐車場での盗難被害が最も多く発生しています。
また、新しい車だけではなく、5年以上経過した車でも盗難の危険性がありますので、古い車でも車両保険に加入しておきましょう。
盗難は、車両保険の一般条件(オールリスクタイプ)でも限定補償でも補償されます。
ゲリラ豪雨や爆弾低気圧で車が水没することも
ゲリラ豪雨や爆弾低気圧が原因の洪水で、車の水没事故が多発していますが、車両保険に加入していないと、修理費が全額自己負担になります。
車が水没すると、修理が不可能で「全損」になるケースがありますが、その場合でも、車両保険に加入していれば、保険金で、加入している車と同程度の中古車を購入したり、新車を購入する頭金にすることができます。
まとめ
自動車保険に加入する時に、車両保険に加入するかどうか迷うところですが、絶対加入することをおすすめします。
確かに自動車保険に車両保険をプラスして加入すると、保険料が倍近くになり、支払いが大変になりますが、事故が起きて、修理費を自己負担することを考えると、多少無理をしてでも車両保険に加入するべきです。
代理店型自動車保険に車両保険なしで加入している人は、同じ保険料でダイレクト型自動車保険に車両保険をプラスして加入することができますので、保険料の比較をしてみて、乗り換えも検討しましょう。
たとえば、代理店型自動車保険にトヨタのプリウスに車両保険なしで加入すると、以下のような条件になります。
加入条件
車種:トヨタプリウス
保険期間:1年
使用目的:日常・レジャー使用
免許証の色:ゴールド
等級:20等級
年間走行距離:10,000㎞
対人賠償保険:無制限
対物賠償保険:無制限
人身傷害保険:3,000万円
車両保険なし
年間保険料 約32,000円
170万円の車両保険(一般条件 免責金額5-10万円)を付けて、ダイレクト型自動車保険に加入すると
アクサダイレクト:36,830円
チューリッヒ :37,490円
SBI損保 :31,170円
そんぽ24 :51,390円
セゾン自動車 :32,100円
イーデザイン損保:36,430円
三井ダイレクト :36,400円
*平成29年1月現在の保険料
SBI損保とセゾン自動車では、代理店型自動車保険の車両保険なしの保険料で、170万円の車両保険を付けた自動車保険に加入することができます。
もしもの時に役に立つ車両保険は、保険会社を乗り換えてでも加入しておきたいものです。
参考記事:車両保険に安く賢く加入する2つの方法