台風や集中豪雨で車が水没 自動車保険は対象になるのか?

車両保険の必要性
真由美さん
昨日すごい大雨が降って、道路が冠水しそうになったんだけど、もし車が水に浸かって壊れたら、自動車保険は使えるの?
元支社長
車の浸水被害は、自動車保険で車両保険に加入していれば補償の対象になります。

ゲリラ豪雨や爆弾低気圧なんて言葉を最近よく耳にしますが、大雨が降って河川が氾濫したり、土砂崩れが発生して住宅や車が浸水したり、流されたりする映像を見ることが少なくありません。

2017年になり、まだ台風シーズンも来ていないのに、7月末時点で水没したり浸水した車が、「九州北部豪雨」で約1,000台と秋田県の大仙市周辺でも相当な車の被害が出ています

車が浸水や水没した場合、修理が出来るのか

道路に水が冠水した時に車が走行できる限界は、床下ギリギリの深さと言われています。

これは、車のエンジンは、空気を吸って燃焼し、マフラーから排気しますが、マフラーが水に浸かってしまうと、排気が出来なくなだけでなく、水がエンジンに進入して、エンジンが止まってしまうためです。

水に浸かった車の修理は可能ですが、どこまで浸水したかで修理代や修理可能かが決まってきます。

目安としては、シートの上まで浸水すると50万円以上、シート下まで浸水すると25万円以上の修理代がかかると言われています(車種や年式によっても大きく変わってきます)。
エンジンがダメになり、エンジン自体を交換する場合もあります。

車両保険に加入していない場合

自動車保険は車両保険に加入していない場合、車の浸水被害は補償されません。
自分の車の損害を補償してもらえるのは、「車両保険」であり、大雨で車が浸水した場合は、全て自己責任になりますので、修理費は全額自ら支払うしかありません。

浸水した車を安く修理するには

車両保険に加入していないために、自費で車を修理する場合は、なんとか修理代を安くしたいものです。

その為には、修理を依頼する自動車整備工場を選ぶ必要があり、自動車販売ディーラーなどは、安く修理をしてくれる可能性は低いのですが、一般の自動車整備工場では、相談に乗ってくれます。

最近の車の修理は、ドアやバンパーなどの部品の交換作業が中心になっていて、その部品代が修理費の多くを占めています。

この部品は、なにも言わないと新品の部品を使って交換するのですが、自動車の整備業界では、中古部品が販売されていて、新品部品の70%位で購入できます。

この中古部品は、人気車種ほど豊富に出回っていて、車のほとんどの部品が手に入りますので、交換が必要な部品は全て中古部品を使ってもらいましょう。(中古部品だからと言って品質が劣るとかの心配はありません)

車両保険に加入している場合

車両保険に加入している場合は、車の修理費は全て車両保険で補償されます。

車両保険には、その加入の仕方で、「一般車両保険」と「エコノミー車両保険(車対車+限定A)」の2種類ありますが、どちらで加入していても、車の浸水被害は補償の対象になります。

車両保険の「一般条件車両保険」と「エコノミー車両保険(車対車+限定A)」の補償の違いは以下の通りです。

補償内容の比較

車両保険の補償内容比較
損保ジャパン日本興亜さんから引用
 
 一般条件で加入している人はもちろん、エコノミー車両保険(車対車+限定A)で加入している人も、「台風・竜巻・洪水・高潮」が補償されていますので、豪雨による浸水被害も補償の対象になっていますが、エコノミー車両保険(車対車+限定A)で加入している場合、「限定A」の方での補償になります。
 

ダイレクト型自動車保険の「そんぽ24」や「セゾン自動車火災」などは、「限定A」を除いて「車対車」だけの補償で加入することができ、その場合、豪雨による浸水被害は補償されませんので、注意が必要です。

「限定A」だけを除いて契約をしても、それほど保険料は安くならないので、必ず「限定A」を含んだ車両保険に加入しましょう。

ただし、加入している車両保険に「免責金額」が設定されている場合は、その金額は自己負担になります。
 
真由美さん
車両保険に加入していると、豪雨による浸水被害が補償されるのはわかったけど、やっぱり契約を更新すると保険料が高くなるんですよね
 
 
元支社長
自動車保険のノンフリート等級制度では、事故などで保険金を請求すると、翌年保険料が高くなりますが、全ての事故が同じではありません
 

浸水被害で車両保険を使った場合の翌年の等級は?

 
ノンフリート等級制度における事故には、3等級ダウン事故と1等級ダウン事故、ノーカウント事故と3種類ありますが、台風・竜巻・洪水・高潮」による事故は、1等級ダウン事故の扱いになります。
 
 
1等級ダウン事故とは
1等級ダウン事故とは、契約している車の盗難や台風・竜巻・洪水・高潮が原因の損害、及び窓ガラスの破損(外部からの飛来物による破損)などが原因の損害などの場合に、契約更新の時に、1等級ダウンした契約となります。また、事故有り係数期間も1年となります。

参考 等級制度とは

車が浸水してしまった場合の注意点

車が大雨で浸水してしまった場合(水が車内まで進入してきた場合)の注意点は、むやみにエンジンをかけないことです。

浸水してしまった水が少し引いた時に、どうしてもエンジンがかかるかどうか確かめたくなり、エンジンをかけてしまいますが、バッテリーまで浸水していると、感電したり車両火災が発生する危険性があります。

水に浸った車両は、外観上問題がなさそうな状態でも、感電事故や、電気系統のショート等による車両火災が発生するおそれがありますので、以下のように対処して下さい。

1.自分でエンジンをかけない。
2.使用したい場合には、お買い求めの販売店もしくは、最寄りの整備工場にご相談下さい。特に、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)は、高電圧のバッテリーを搭載していますので、むやみに触らないで下さい。
3.なお、使用するまでの間、発火するおそれがありますので、バッテリーのマイナス側のターミナルを外して下さい。

自動車バッテリー

※外したターミナルがバッテリーと接触しないような措置(テープなどで覆う)をして下さい。

国土交通省のHPより引用

まとめ

豪雨による洪水などで、車が浸水したり水没した場合は、車両保険で修理することができますし、修理が出来ない場合でも、全損として車両保険金額全額を受け取ることができます。

特に洪水などの水は、ほとんど泥水で、水が引いたあとは、車の中が泥だらけになり、そして悪臭がすごい状態になりますので、簡単には修理できません。

車両保険に加入すると保険料は結構高くなりますので、車両保険なしの自動車保険に加入している人は、全体の40%以上存在しますが、代理店型自動車保険ではなく、ダイレクト型自動車保険に上手に加入すれば、車両保険のない自動車保険と同じ保険料で、車両保険付きの自動車保険に加入することも可能です。

大事な車が洪水などで浸水や水没してからでは遅いので、もし車両保険のない自動車保険に加入している場合は、いますぐ見直しましょう。

上手な車両保険の加入方法

車両保険の免責金額を上手に設定して保険料を節約する方法

参考    洪水や土砂崩れは全ての火災保険で補償される訳ではない?

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