車を買った時にまず必要なのが自動車保険に加入することですが、車を買い替える場合は、今まで加入している自動車保険に「車両入替」手続きをすることで、引き続き補償を受けることができますが、全く新しく車を買う時は、新たに自動車保険に加入する必要があります。
自動車保険の「等級」は何年も無事故で加入していて割引が獲得できますので、新しく車を買って初めて自動車保険に加入する時は、割引がない状態で加入することになり、特に20歳以下などの若い人の保険料は割高になります。
目次
はじめて自動車保険に加入する人の等級は?
はじめて自動車保険に加入する人に適用される自動車保険の「等級」は、6S等級になりますが、加入する本人(記名被保険者)の同居の親族に、11等級以上の契約者(記名被保険者)が居ると、その人の名前を使って、7S等級で加入できる複数所有新規制度(セカンドカー割引)が適用されます。
はじめて自動車保険に加入する人の割引率と割増率
はじめて自動車保険に加入する場合、運転者の年齢条件により保険料が大きく異なり,、加入する自動車保険の年齢条件別の割増引率は以下のとおりとなっています。
全年齢 | 21歳以上補償 | 26歳以上補償 | |
6S等級 | 28%割増 | 3%割増 | 9%割引 |
7S等級 | 11%割増 | 11%割引 | 40%割引 |
*保険会社独自に30歳や35歳以上補償も設定している会社もありますが、26歳以上と同じ割増引になります。
上記の割増引率を見てわかるとおり、初めて自動車保険に加入する人が、20歳以下の年齢条件では、いきなり6S等級では28%も割増の保険料となってしまいます。
自動車保険の保険料は年齢条件が20歳以下では、ただでさえ高い保険料水準なのに、はじめて自動車保険に加入する6S等級では更に28%もの割増が適用されてしまうのです。
このために、はじめて車を買って、自動車保険に加入する20歳以下の契約者(記名被保険者)は、高い保険料のために車両保険に加入することができず、不十分な補償内容になってしまいがちです。
2018年に初めて自動車保険に加入する人の保険料が安くなる?
2017年の5月30日に、「損害保険料率算出機構」は、自動車保険の保険料を平均8%下げることを発表しましたが、その中に、初めて自動車保険に加入する人の割増引率を見直すことも盛り込まれていました。
その内容は、通常の年齢条件別の保険料以外に、新規解約者だけに割増引率を適用することは、事故の発生率からも現実的でないとの判断から、今回見直すことに決定しました。
この自動車保険料率算出機構の発表を受けて、各損害保険会社は、独自のアレンジを加えながら、2018年の10月以降に、初めて自動車保険に加入する6S等級と7S等級の割増引率を見直すことになると思われます。
損害保険料率算出機構とは
損害保険商品の保険料率を公正な立場で算出し、損害保険会社へ提供している団体(非営利の民間法人)。契約データや事故・火災データなどを収集し、科学・工学的手法や保険数理理論を活用し、自動車保険、火災保険、傷害保険、介護費用保険については、民間保険会社が保険料を決める際に目安となる保険料率(参考純率)を、また強制保険である自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)と、地震保険については保険料の基準料率を算出・提供している。
2018年中に改定予定の新規契約の割増引率は
2017年5月30日に損害保険料率算出機構が発表した、新しく自動車保険に加入する時に適用される、6S等級と7S等級の割増引率は以下のとおりとなっています。
全年齢 | 21歳以上補償 | 26歳以上補償 | |
6S等級 | 一律4%割増 | ||
7S等級 | 一律34%割引 |
*保険会社独自に30歳や35歳以上補償も設定している会社もありますが、26歳以上と同じ割増引になります。
今回改定された、6S等級と7S等級の割増引率の新旧の比較をすると以下のとおりです。
6S等級新旧比較
全年齢 | 21歳以上補償 | 26歳以上補償 | |
現行6S等級 | 28%割増 | 3%割増 | 9%割引 |
新6S等級 | 一律4%割増 | ||
新旧比較 | ▲24% | +1% | +13% |
7S等級新旧比較
全年齢 | 21歳以上補償 | 26歳以上補償 | |
現行7S等級 | 11%割増 | 11%割引 | 40%割引 |
新7S等級 | 一律34%割引 | ||
新旧比較 | ▲45% | ▲23% | +6% |
今回の6S等級と7S等級の割増引率改定の比較をすると、はじめて自動車保険に加入する20歳以下の保険料が大幅に引き下げられていて、6S等級では24%ダウンで7S等級では、なんと45%も保険料が安くなっています。
どのくらい保険料が安くなるのか
20歳以下で、はじめて自動車保険に加入する場合の保険料が、現在の条件で加入した場合と、今回の損害保険料率算出機構が打ち出した改定後に加入した場合の比較をしてみました。
車名:ホンダNBOX
車種:自家用軽四輪乗用車
記名被保険者年齢:20歳
年齢条件:全年齢
対人賠償保険:無制限
対物賠償保険:無制限
人身傷害保険:3,000万円
車両保険:なし
保険料支払い方法:一括払い
ソニー損保の自動車保険で試算(改定後の保険料はあくまで概算になります)
6S等級 | 7S等級 | |
改定前 | 183,790円 | 159,140円 |
改定後 | 149,300円 | 94,600円 |
安くなった金額 | 34,490円 | 64,540円 |
なんと6S等級の場合は34,490円安くなり、7S等級は64,540も安くなります。
この試算は自家用軽四輪乗用車での試算なので、自家用普通乗用車や自家用小型乗用車はもっと安くなり金額は多くなります。(車両保険を付ければ更に差額は多くなります)
改定前に自動車保険に加入してしまった人はどうする?
はじめて自動車保険に加入する人が安くなる改定は、2018年の10月以降になると思われますので、それまでに車を買って、今の高い保険料で加入してしまった人は、どうしたらいいのでしょうか。
途中で解約して加入し直す(中途更改をする)
既に今の高い保険料で自動車保険に加入してしまった人は、途中で解約して、新たに加入し直すことで、保険料を安くすることができます。
ただし、この場合は保険期間の途中で解約しますので、等級のランクアップが遅れるデメリットがありますが、「ノンフリート保険期間通算特則」を使うことで、そのデメリットを防ぐことができます。
参考記事:自動車保険を途中で乗り換える時に役立つ「保険期間通算特則」とは?
まとめ
自動車保険に初めて加入する場合は、過去の契約歴がないために、保険料が割高になります。特に20歳以下の若い人の保険料は高く設定されていますので、なんとか安く加入したいものです。
今回の改定される予定の6S等級と7S等級の割増率は、20歳以下の若い人にとっては、歓迎すべき内容ですが、2018年の10月以降の改定となりそうなので、それ以前に自動車保険に加入する場合は、改定後に他の自動車保険に乗り換えることをおすすめします。
自動車保険は、たくさんの保険会社から見積もりを取って、比較してから加入すると、必ず安く加入することができますので、一括見積りサイトで、見積りを取ってから一番いい自動車保険を選んでください。