対人賠償保険FAQ

自動車保険FAQ

酒酔い運転で事故を起こしても対人賠償保険は使えるのですか?

自動車保険は酒酔い運転をして事故を起こした場合、車両保険や人身傷害保険などの補償は免責(支払い対象外)扱いとなっていて、保険金は支払われないのですが、対人賠償保険と対物賠償保険だけは、酒酔い運転をして事故を起こしても、保険金は支払われます。

これは、酒酔い運転の被害者となった人が、賠償を受けられないことを回避するための、救済処置とされています。

自賠責保険に加入していないと人身事故は全部払ってもらえないのですか?

自動車保険の対人賠償保険は、自賠責保険の上乗せ保険の位置づけなので、契約している車が自賠責保険に加入していないと、自賠責保険で支払われるべき保険金部分は、差し引かれて支払われます。

自賠責保険は、新車登録や車検を受ける時に必ず加入するので、自賠責保険が掛けられていないことは珍しいのですが、車検を受け忘れたりした場合には、あり得る事象です。

反面、例外的に自賠責保険に加入していなくても人身事故で賠償金が全額支払われる場合があります。

他車運転特約で、他車に自賠責保険が掛けられていない場合

他人の車を借りて事故を起こした時に、自分が加入している自動車保険を使うことができるのが他車運転特約ですが、借りた車に自賠責保険が掛けられていない責任を、借りた人に負わせるのは酷なことと、被害者救済の意味合いからも、対人賠償保険から自賠責保険部分まで含めて支払われます。

ファミリーバイク特約を使う場合で、借りたバイクに自賠責保険が掛けられていなかった時

他車運転特約の場合と同様に、借りたバイクに自賠責保険が掛けられていなかった時には、ファミリーバイク特約で自賠責保険部分まで含み、対人賠償保険が支払われます。

原付バイク(125cc以下のバイク)には、車検制度がありませんので、自賠責保険が掛けられていない可能性があります。
自賠責保険に加入していない場合にも、対人賠償から全額が払われる例は、保険会社により取り扱いが異なりますので、必ず支払われるとは限りません。

交通事故で自分の家族をケガさせた場合には対人賠償保険が使えないと聞いたのですが

対人賠償保険は、以下の人をケガさせたり死亡させたりした場合は、保険金を支払わないと決められています。

  • 記名被保険者(本人)自身
  • 記名被保険者の両親・配偶者・子供
  • 記名被保険者の業務に従事している人など

対人賠償保険は、同乗者も支払い対象になっていますので、運転している人の両親や配偶者、子供が同乗中に事故でケガをしても対人賠償保険の支払い対象にはなりません。

*人身傷害保険は支払い対象になります。

対人賠償保険の補償は無制限が絶対必要ですか?

対人賠償保険の保険金額(支払い限度額)は、ほとんどの人が「無制限」で加入しますが、「無制限」での加入は絶対に必要です。

人身事故は、どんな人が被害者になるか全くわからないので、超高額所得者や子供など、高額賠償が発生する可能性を秘めていますので、必ず無制限で加入しておきましょう。

過去の高額賠償の例

認定された損害額 5億2,853万円
事故の内容
国道を走行中のタクシーが道路を横断していた歩行者(41歳眼科開業医)を衝突して死亡させた事故(平成23年11月、横浜地裁判決)
認定された損害額 3億8,281万円
事故の内容
片側3車線道路を進路変更中の乗用車が歩道寄りのバイクに接触して、バイクの運転者(29歳男性・会社員)に後遺障害を負わせた事故(平成17年5月、名古屋地裁判決)

人身事故を起こしたら被害者と交渉してくれるのですか?

自動車保険の対人賠償保険と対物賠償保険には、「示談交渉サービス」が付いていますので、被害者との賠償金などの交渉は保険会社の事故処理担当者が全て代行してくれます。

注意したいのは、保険会社の事故処理担当者に任せきりにすると、加害者に誠意がないなどと、被害者の感情を悪くして、示談交渉が長引きますので、最初は謝罪に行くなど、最低銀の対応は行う必要があります。

最初の謝罪の方法などは、事故処理担当者が相談に応じてくれますので、相談しながら対応しましょう。

参考記事:人身事故を起こした場合の3つの責任と必ずやるべきこと

ただし、被害者が保険会社との交渉を拒否した場合などは、示談交渉サービスができない場合があります。

対人賠償保険の補償額(支払い限度額)が無制限でなく(1億円限度とか)、明らかに被害者への賠償金が加入している対人賠償保険の補償額(支払い限度額)を超える場合は、保険会社は示談交渉をしてくれません。

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