個人賠償責任特約とは
日常生活における自動車事故以外の賠償事故を補償します。
各社の取扱いに違いはありますが、日本国内で発生した事故については、対人賠償や対物賠償と同じように、示談交渉から事故の解決まで保険会社がやってくれます。
(1)個人賠償責任特約の補償内容は
日本国内外で、被保険者(補償の対象となる人)の住まい(実際に住んでいる住宅)の所有・使用または管理が原因の偶然な事故や、被保険者の日常生活で起きた偶然な事故により、他人を死傷させたり、財物を破損させて、法律上の賠償責任を負担した場合に、保険金が払われます。
(2)被保険者(この特約で補償される人)は
〇記名被保険者(契約している自動車を主に運転する人)
〇記名被保険者の配偶者
〇記名被保険者またはその配偶者の同居の親族
〇記名被保険者またはその配偶者の別居の未婚の子(単に独身というのではなく婚姻歴がない人)
(3)保険金が払われない場合(抜粋)
〇地震・噴火・これらによって発生した津波が原因の事故
〇保険契約者及び被保険者の故意による事故
〇被保険者の仕事中の事故
〇被保険者の同居の親族への賠償
〇他人から借りている物の所有者への賠償
〇車両や船舶等の使用・管理が原因の事故の賠償 など
(4)保険金が払われる事故の例
〇飼い犬が歩行者にかみついてケガをさせた
〇自転車に乗っていて歩行者にぶつかり死傷させた
〇洗濯機をつけっぱなしにして外出して、水があふれて下の階の住民の家財を破損させた
〇買い物中に誤って、陳列してあった商品を破損させた
〇自宅の屋根から雪のかたまりが落ちて、駐車していた他人の自動車を破損させた など
*損害保険会社によっては、同居している責任無能力者(認知症患者など)が起こした事故で他人を死傷させたり、財物を破損させた場合も補償される場合もあります。
(5)気になる保険料は
損害保険会社によって異なりますが、1年間で1500円前後と非常に加入しやすくなってます。
(6)この特約をおすすめする理由
最近は自転車による事故が多発しており、事故を起こした自転車に対する賠償請求が増えています。
問題になっている「ながらスマホ」や「音楽聞きながら走行」が原因の事故が激増しているためです。
道路交通法上自転車は「軽車両」に分類され、自動車と同様に道路交通法が適用され、一時停止無視や歩道走行などが原因で事故を起こして他人を死傷させた場合は、必ず被害者から損害賠償請求されます。
被害者と治療費や休業損害などの交渉を一般の人が行うことは非常に困難で、精神的にも大変な思いをしますが、この個人賠償責任特約に加入していれば、損害保険会社が代わりに示談交渉をしてくれます。
自転車による事故を補償される損害保険は意外に少なく、この個人賠償責任特約が最も加入しやすく、保険料も安くなっていますので、お子さんなどの家族が、自転車に乗っている場合は絶対に加入しましょう。
注意点
この特約は、一つの特約で家族全員(上記補償の対象となる人参照)が補償されますので、家族で自動車を2台以上所有している場合、それぞれの自動車保険に特約としてつけてしまうと、いわゆる「補償の重複」となり、無駄になりますので、注意が必要です。