自動車保険の「等級制度」と加入時に注意したいこと

等級の引継ぎルールと注意点 自動車保険の等級制度

個人が加入する自動車保険には「等級制度」があり、無事故で契約を更新するごとに割引がすすんでいきますが、この等級制度は日本の損害保険業界全体で共通の制度であり、同じ保険会社での更新はもちろん保険会社を変えても引き継ぐことができます。

ただし、契約の更新や保険会社を切り替えた場合の新契約で「等級」を引き継ぐためには3つの条件を満たす必要があります。

「等級」を引き継ぐための3つの条件とは

自動車保険の等級を引き継ぐためには、以下の3つの条件を満たしている必要があります。

条件その1:満期日(または解約日)の翌日から数えて7日以内に新契約が始まること

ただし、この「7日間ルール」はあくまで猶予期間です。
自動車保険の更新や切り替えの際は、「前契約の満期日(または解約日)イコール新契約の始期日」となるように手続きをしなければ、補償が全くない「無保険期間」が生じてしまいます。

今ではほとんどの保険会社で「30日間の猶予期間」があり、一定の条件のもと満期日から30日間は遡及して契約をすることができます。(同じ保険会社に限ります)

条件その2:記名被保険者(本人)が前契約と同一であること

自動車保険の契約を更新や切り替えをする際は、記名被保険者(本人)が前契約と同一でなければなりません。

ただし、以下の➀または➁への変更は記名被保険者(本人)が前契約と同一とみなします。
➀配偶者(内縁を含む)
➁記名被保険者または配偶者の同居の親族
*別居の親族への引き継ぎはできませんので注意してください。

「等級」が1~5等級や「事故あり係数適用期間」が1~6年となる契約で、新たに契約する車の車両所有者に変更がない場合は、13か月間1~5等級や「事故あり係数適用期間」を引き継ぐ必要があります。

条件その3:契約する車が前契約と同一であること

自動車保険の等級を引き継ぐには、前契約と新契約の車が同一でなければなりません。

ただし、車を買い替えた場合などは、以下の3条件を全て満たす場合に等級を引き継ぐことができます。

  1. 前契約と車両所有者が同一(または記名被保険者・配偶者・双方の同居の親族への変更)
  2. 複数の車を所有していて、1台を廃車または譲渡した場合の新しく所有した車(または他の所有している車への入れ替え)
  3. 車両入れ替え対象車種間での変更(自家用8車種の間での変更)

自動車保険の保険会社を切り替える際に注意すべきこと

自動車保険の場合、損害保険会社(教職員共済を除く共済を含む)が事故歴などの情報を共有し、前契約や事故歴などをチェックしていますので、以下の点に注意が必要です。

前契約がなく自動車保険に加入する場合(純新規契約)

現在自動車保険に加入していなくても、13か月以内にご自身や配偶者、同居の親族で契約があった場合に前契約とみなされることがあります。

例)純新規契約の6等級(S)で契約したところ、他の損害保険会社で12か月前に事故で手放した5等級の契約があった。⇒5等級の契約を前契約とみなされ、5等級が適用される。

前契約ありとして自動車保険に加入する場合

現在お持ちの保険証券は、あくまで「契約時点」の内容であり、契約後の事故は反映していません。もし保険期間中に事故があり、保険金を請求している場合は、「事故あり契約」となります。

例)現在加入の保険証券が11等級だったので、12等級で契約したが、3等級ダウン事故が1件あり、実際は8等級の事故あり係数適用期間3年だった。

まとめ

自動車保険を更新したり切り替える際は、等級の引き継ぎルールをしっかり理解しておきましょう。

特に保険会社を切り替える際は、現在加入している契約の等級や事故歴、13か月以内の契約の有無などを必ず確認してから手続きをしておく必要があります。

過去の契約情報や事故歴などは、保険会社の切り替え時点ではデータがありませんので、後日加入した損害保険会社から等級の訂正などの連絡が来ることになります。

1等級から5等級などに等級が訂正された場合、加入した損害保険会社によっては、契約の取り消しや補償内容の見直し(車両保険の加入拒否などの補償の縮小)を余儀なくされる場合がありますので注意しましょう。

 

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