自動車保険の保険料は「一括払い」「分割払い」どっちが得?

自動車保険の豆知識
真由美さん
今度車を買うので、自動車保険に加入する予定ですが、1年分を1回で払った方がいいのか、毎月分割で払った方がいいのか教えてください
元支社長
自動車保険の保険料は、一括払いと分割払いと2種類ありますが、それぞれメリットとデメリットがあります

自動車保険の保険料は、一括払いと分割払いの2種類から選択できますが、それぞれメリットとデメリットがありますので、それを理解してから決めてください。

自動車保険の保険料分割払いの場合

自動車保険の保険料を毎月の分割払いで支払う場合は、12回に分けて、毎月支払うことになります。

*一部のダイレクト型自動車保険は、初回に2~3か月分支払う会社もあります。

保険料を分割で支払うと5%割高になる?

自動車保険に限らず損害保険は、1年間の保険料を一括で支払うのが基本になってますので、分割で支払うと、5%の割増料金になります。

自動車保険の保険料分割払いのからくり

契約内容を変更して、追加の保険料を支払う方法

自動車保険は加入した後に、保険期間の途中で車を買い替えたり、年齢条件を変更したりして、追加の保険料を支払う場合がありますが、保険料を分割で支払っていると、追加の保険料も分割で支払うことになります。

例えば、毎年5,250円支払っていて、加入して2か月目に同居の子供が免許を取り、車を運転するので、年齢条件を「35歳以上補償」から「年齢を問わず補償」に変更して、80,000円の追加保険料を支払う場合は、残りの分割回数10回で分割して支払います。

自動車保険の追加保険料支払い方法

車両保険を削除したり、年齢条件を「年齢を問わず補償」から「35歳以上補償」に変更したり、逆に保険料が安くなるような変更の場合は、安くなった保険料を残りの分割回数で割って返金されますので、変更をした翌月から分割の保険料が安くなります。

保険料を分割で支払う場合の注意点

自動車保険の保険料を分割で支払っている場合の注意点は、保険料引き落とし口座の残高が足らずに、引き落とし不能になることです。

自動車保険の保険料が引き落としにならなかった場合

銀行口座からの引き落としの場合、預金残高が不足していた為に、自動車保険の保険料が引き落としにならないことがあります。

この場合、すぐに自動車保険が無効になるわけではなく、一定の猶予があります。

保険料が口座引き落としにならなかった場合、損害保険会社から「引き落とし不能通知」のハガキが届き、引き落としにならなかった月の翌月に2回分の保険料が引き落とされ、自動車保険は有効に継続します。

もしこの2回目の請求でも引き落としにならなかった場合は、引き落としにならなかった翌月に、損害保険会社から「振込票」が送られてきます。

この「振込票」を使って、コンビニなどで保険料(通常は3回分)を振り込めば、自動車保険はその後も有効に継続しますが、「振込票」が送られて来た月の月末までに振り込まなければ、自動車保険は失効(保険料不払い解除)になります。

自動車保険の保険料不払い失効に注意
自動車保険の等級(割引)は、契約が失効しますと、その権利を失ってしまいますので、注意が必要です。

自動車保険の保険料を一括で支払っている場合

自動車保険の保険料を加入時に一括で支払っている場合、保険の満期まで、支払う保険料はありませんが、途中で年齢条件を変更したり、車を買い替えて車両保険を追加したりすると、分割で支払っている場合と同様に追加の保険料を支払う必要があります。

保険料を一括で支払っている場合の追加保険料の支払い方

保険料を一括で支払っていると、追加の保険料も一括で支払うことになりますので、一時的に大きな保険料の負担が発生します。。

自動車保険の保険料一括払い 追加保険料の支払い方法

*一括払い契約の追加保険料は、分割の割増がありませんので、実際には、分割払いの追加保険料よりも5%安くなります。

保険料を一括で支払っていると、解約する時に保険料があまり戻らない?

自動車保険の保険料を一括で支払っていると、残りの期間の保険料が返金になりますが、契約者に不利な計算式なので、保険料を損することになります。

自動車保険の保険料 解約返戻金の返戻率(一括払い)

参考記事:自動車保険を解約する時に注意すべき6つのこと

一括払いで保険料を支払っている場合、途中で車両保険を削除したり、年齢条件を「年齢を問わず補償」から「35歳以上補償」などに変更して保険料が安くなる場合は、残りの保険期間分が返金されますが、その返金額も同じ返金率になります。

代理店型自動車保険が分割払いをすすめる3つの理由

代理店型自動車保険では、自動車保険の保険料を分割で支払うことをすすめていますが、その理由は3つあります。

自動車保険の分割払いをすすめることで、単純に売り上げが5%アップする

代理店型自動車保険は、大手損害保険会社では、その扱売り上げの約50%を自動車保険が占めていて、、分割払い契約をすすめることで、単純に5%の増収になります。(最大手の損保ジャパン日本興亜のH28年度自動車保険の売り上げは1兆700億もあります)

分割払いは毎月保険料を支払うために、代理店の手数料収入が安定する

損害保険代理店の手数料収入は、自動車保険の保険料の入金により発生するので、保険料の一括払いでは、自動車保険契約の満期が多い3月や4月に収入が多くなり、契約の満期が少ない2月や8月の収入が少なくなります。

それに対して、分割払い契約は、毎月保険料の引き落としがありますので、1年間を通じて手数料収入が安定します。

加入する時の保険料負担が少ないために、車両保険や各種特約をすすめやすい

大手損害保険会社は、保険料売り上げを増やすために、車両保険やいろいろな特約をすすめようとしますが、一括払いでは、保険料の負担が重くなり、すすめにくい反面、分割払いの場合は、車両保険や各種特約で増えた保険料も分割で支払うので、すすめやすくなります。

まとめ

自動車保険の保険料の支払い方は、1年間分の保険料を一回で支払う「一括払い」と毎月分割して支払う「分割払い」の2種類から選択できますが、それぞれメリットとデメリットがあります。

保険料を分割払いを選択すると、契約の途中で解約して、他の損害保険会社の自動車保険に乗り換えても、保険料を損することが少ないことと、補償内容を必要な時に見直しても、翌月からの保険料が高くなったり安くなったりするだけで、比較的自由に変更ができます。

特におすすめなのは、バイクを冬場に乗らなかったり、積雪などの為に、車の運転を控える時に、最低限の補償だけを残して、補償を削り、毎月の保険料を劇的に安くすることです。

但し、分割払いで契約する時は、保険料の引き落とし不能が考えられますので、しっかり通帳残高の管理をしないと、保険料の引き落とし不能で、契約が失効してしまいますので注意が必要です。

自動車保険の保険料を一括で支払い場合は、分割払いで支払うよりも1年分の保険料が安くなりますので、1年間解約や契約の内容変更の予定のない人にはおすすめです。

私個人的には、分割払いで加入して、今より安い自動車保険に乗りかえたり、必要に応じて、補償内容を自由に変更できる方が使い勝ってがよく、おすすめです。

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