損保ジャパンの故障の修理費まで補償する自動車保険がすごい理由と注意すべき点とは

故障まで補償する自動車保険 自動車保険の豆知識

損害保険ジャパン株式会社(以下損保ジャパン」)は、契約している自動車が故障により走行不能となり、かつレッカーけん引された場合に、その故障車両の修理費を補償対象とする「故障運搬時車両損害特約」を新設し、2019年1月から本特約をご提供しています。

最近になり俳優の高橋一生を起用したCMを盛んに流して宣伝していますが、どのような自動車保険なんでしょうか?

自動車保険では本来故障の修理費は補償されない

自動車保険で契約している自動車自体の修理費を補償しているのは、「車両保険」ですが、保険金を請求できるのは、交通事故、自然災害、駐車場でのいたずら、飛び石でフロントガラスにヒビが入った場合などで、故障による修理費は補償の対象外となっています。

損害保険会社各社が提供しているロードサービスの中には、故障による自走不能時のレッカーサービス場合のレッカー費用や代車・宿泊・移動費用を補償している保険会社もありますが、その後の修理費は個人負担であり、補償の対象外となっています。

故障も補償する損保ジャパンの「故障運搬時車両損害特約」とは

損保ジャパンが販売している「故障運搬時車両損害特約」とは、自動車保険では補償されなかった契約車両の故障を補償対象としています。

この「故障運搬時車両損害特約」の支払対象になる条件は以下の通りです。

  • 加入している自動車保険が「THE クルマの保険」もしくは「SGP」のノンフリート契約
  • 記名被保険者」(主にお車を運転される人)が個人のノンフリート契約
  • 車両保険を付帯した自家用普通乗用車・自家用小型乗用車・自家用軽四輪乗用車)の契約
    (レンタカーや教習用自動車など、一部の自動車は対象外)
  • ご契約期間の初日の属する月が初度登録(検査)年月の翌月から起算して60か月以上の契約
  • 無車検車ではないこと

「故障運搬時車両損害特約」で支払い対象となる条件とは

「故障運搬時車両損害特約」で補償の対象となる条件は以下の通りです。

  • 契約している自動車が故障により自走不能になりレッカー移動された場合
  • 自動車がレッカー移動されることを損保ジャパンまで事前連絡すること(代理店への事前連絡は対象外になりますので注意)

事前に損保ジャパンまで連絡が必要なことから、無断でJAFなどにレッカー移動の手配をしてしまわないよう注意が必要です。

補償の対象にならない場合とは

「故障運搬時車両損害特約」では、契約している自動車の故障を全て補償している訳ではなく、以下の場合を補償の対象外としています。

  • 故障しても自走が可能な場合(カーナビ、エアコン、電動シートの故障など走行に支障がない場合)ただし、 ヘッドライト、ドアミラー、ワイパーの故障により視界が確保できない場合などは補償対象になります。
  • 損保ジャパンに事前連絡がない場合(代理店への連絡は事前連絡にはなりません)
  • バッテリー、チューブ、冷却水等の消耗部品、オイル等の交換または補充に関する費用は支払い対象外です。
  • エンジンの改造、車高の変更等、法令等により禁止されている改造に起因する故障損害は支払い対象外です。
  • 法定点検を実施していないことに起因する故障損害、車検切れのお車の故障損害は支払い対象外です。※道路運送車両法第48条に定められた12か月ごとの定期点検整備を指します。

  • 自動車メーカー等の取扱説明書等に示されている取扱いとは異なる使用または仕様の限度を超える酷使が原因の故障 等々

「故障運搬時車両損害特約」では以上のように補償の対象とならない場合を決めています。

修理費が全額支払われない場合がある?

「故障運搬時車両損害特約」は、バッテリー、チューブ、冷却水等の消耗部品、オイル等の交換または補充に関する費用は支払い対象外になっているため、以下のように修理費の一部または全部が自己負担になる場合があるので、注意が必要です。

  • エンジンが焼き付けを起こし、エンジン自体を交換したが、エンジンオイルやエンジン冷却水(LLC)等は保険金の対象外であり自己負担になる
  • オイルネータが故障して発電不良になりオイルネーターとバッテリーを交換したが、バッテリーは消耗品のため保険金の対象外であり自己負担となる

また、法定点検を実施していないことに起因する故障損害は支払い対象外となっていますので、12か月法定点検等の点検箇所の故障は保険金の対象にならない可能性があります。

「故障運搬時車両損害特約」で支払われる保険金額は

「故障運搬時車両損害特約」では、契約している自動車が故障により走行不能となり、かつレッカーけん引された場合に、自動車の故障損害に対して、協定保険価額(加入している車両保険の保険金額)または100万円のいずれか低い額を限度に保険金が支払われます。

加入している車両保険の額自動車の修理費支払われる保険金
150万円100万円100万円
150万円120万円100万円
50万円100万円50万円

「故障運搬時車両損害特約」では、損保ジャパンが認めた修理費は、実際に修理をしなくても保険金を受け取ることができます。
これにより、新しい自動車の購入資金に充当することが可能になります。

「故障運搬時車両損害特約」の特約保険料はいくら

「故障運搬時車両損害特約」は自動車保険に付帯する特約ですが、初度登録(検査)年月からの経過月数と等級、用途車種等によって変動するとしています。
当然契約している自動車の車両価格や初度登録後の経過年数により大きく変わると思います。

参考保険料は損保ジャパンのHPを参照⇒

この特約で保険金請求をすると1等級ダウン事故扱いとなり、満期後1年は保険料が高くなりますので、注意が必要です。(1年契約の場合)

自動車は初度登録から5年を過ぎると、故障のリスクが大きくなり、メーカーの補償もなくなることが多いので、自費で故障を修理することは大きな経済的な負担になります。
事故であれば、車両保険や事故の相手からの賠償もあり得ますが、故障については全額自己負担です。

損保ジャパンの「故障運搬時車両損害特約」は、そんな故障リスクまでカバーしている画期的な商品ですが、故障の修理代が全て支払われるとは限りませんので、注意が必要です。

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