「火災保険を使って無料で修理しませんか」の嘘に注意して!

悪質業者に注意 その他の損害保険

「火災保険を使って無料で建物を修理しませんか」や「自己負担はありません」「保険会社への請求手続きを代行します」と、飛び込み訪問で勧誘する悪質業者が増加しています。
国民生活センターや全国の消費生活センターには、「火災保険の保険金が使える」と過度な勧誘を行う業者に関するトラブルが多く寄せられています。

災害に便乗した詐欺まがいの勧誘が増加している

台風などの災害が発生すると、多くの家屋が被害を受けてしまいますが、その混乱に付けこみ、それに便乗した悪質商法が多数発生していますが、このような事例は災害発生地域だけとは限りません。

国民生活センターには以下のような「保険金」を口実にした勧誘の相談が寄せられています。

  • 3年前に起きた災害の被災地調査員を名乗り、保険の請求期限まで半年を切ったので、保険金請求のためのサポートをすると言われ、契約したがクーリング・オフしたい。
  • 台風の後片づけをしていたら、業者が来訪し、損害保険を使って無料で雨どい修理ができる、経年劣化で壊れたものも保険でできると言われた。不審だ。
  • 先日の台風で雨どいが壊れ外壁もはがれた。「火災保険で修理できる」という業者が突然来訪し、保険請求手続の代行と住宅修理を依頼したがやめたい。

多くの場合、「火災保険の保険金で無料で修理ができる」とか「自己負担は発生しない」「保険金の請求を代行する」「我々のような業者が入らないと保険金がおりない」などの勧誘文句で、家屋の修理契約を結ばされ、結果、火災保険の保険金が払われず、代金を請求されることになります。

また、他の手口として、建物の修理は行わず、火災保険の保険金の30%以上の報奨金を請求されるパターンも多く存在します。

悪質業者はうその理由で保険金請求をすすめる

古い家屋などの経年劣化の被害を、大雪や台風などの自然災害が原因のの事故と申告して保険会社に保険金を請求するよう勧める業者には注意が必要です。

もともと火災保険は、経年劣化で発生した建物の損傷は対象にはなっていません。
その建物の損傷を台風や大雪などの自然災害が原因の事故として、保険会社に事故報告をさせることで、修理費を捻出させようとする手口です。

しかしながら、このようなうその申告で保険金請求することは、「保険金詐欺」に該当し、刑事罰に処せられる可能性があります。

  • 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する(刑法第246条1項)
  • 火災保険請求の場合、うその理由で保険金を請求した場合には詐欺罪が成立する可能性がある。
  • 保険会社が嘘に気が付いて、保険金を支払わなかった場合でも、詐欺未遂罪が成立する可能性がある。

「訪問による勧誘」で被害を受けるのは多くが高齢者

悪質な業者とのトラブルに巻き込まれるのは、多くが訪問による勧誘です。
また、国民生活センターや全国の消費生活センターなどに寄せられたトラブル相談の半数以上が高齢者からのものです。
更に最近では、インターネットやSNSに広告を出している業者も増えてきています。

「甘い言葉での勧誘」に騙され、知らない間に詐欺に加担してしまう高齢者が多く存在しますので、注意が必要です。

保険会社はうその請求を見破るプロです

保険会社の事故処理担当者は、火災保険の保険金請求があると、その損傷個所の写真と修理見積を入念に確認します。

特に報告のあった事故日(建物が損害を受けた日)などが、報告を受けた日から時間が経過している場合は、事故日より前のグーグルストリートビューの映像を確認したりして、実際に事故日に損害を受けたかどうかを確認します。

また、リサーチ会社などに依頼して、近所の住民から聞き込みをし、その事故日に災害級の突風や大雪があったかも確認もします。

火災保険の保険金を請求する権利は契約者にあり、建物の修理業者にはありませんので、保険会社との交渉をするのは契約者になります。

その場合、保険会社との交渉時に事故報告との矛盾点をつかれて嘘の請求がバレてしまうケースも珍しくありません。

修理業者が契約者の代わりに保険会社と交渉をすることは、「修理業者の非弁行為」にあたるため、保険会社が交渉を断ります。

非弁行為(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
弁護士法第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

保険会社は必ず刑事告訴するのか

悪質な業者に騙されて、嘘の保険金請求をした場合、多くの場合はその嘘がバレて、保険金請求を取り下げることになります。

この場合保険会社は必ず保険金詐欺として刑事告訴するかが疑問になりますが、保険金請求取り下げの場合は刑事告訴まではしないことが多いです。

保険金請求の仕方が相当悪質(嘘の請求が複数回あったりした場合など)な場合や、保険金を受け取った後で嘘がバレた場合などは、刑事告訴まで行う可能性はありますので注意が必要です。

 

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