2018年6月26日にトヨタ自動車から新型クラウンとカローラスポーツが発売されました。
クラウン、カローラスポーツともに車載通信機「DCM」を標準搭載した本格的な「コネクティッドカー」で、車両から発信される情報をもとに、コールセンターや販売店がアドバイスする「eケア走行アドバイス」や、エンジンオイル量、電子キーのバッテリ、警告灯の点灯状態についてスマートフォンから確認できる「eケアヘルスチェックレポート」、事故時や急病時に専任のオペレーターが警察や消防に取り次ぐ「ヘルプネット」など、多彩なサービスが提供されます。
トヨタ自動車は、今後コネクティッドカーの普及率を2020年までに新車の7割、2025年には保有台数の5割を目指しているとしていますが、このトヨタのコネクティッドカー専用の自動車保険が、あいおいニッセイ同和の「タフ・つながるクルマの保険」です。
目次
あいおいニッセイ同和の「タフ・つながるクルマの保険」とは
あいおいニッセイ同和損害保険は、2004年から日本初となるテレマティクス技術を活用した自動車保険である「PAYD」を発売してきましたが、2018年4月1日からトヨタ自動車が提供するコネクティッドカー専用自動車保険として「タフつながるクルマの保険」を発売しました。
この「タフ・つながるクルマの保険」は、トヨタのコネクティッドカーの通信機能により、テレマティクス技術を活用した安全運転に貢献するサービスを提供してくれます。
また、「タフ・つながるクルマの保険」は、テレマティクス自動車保険としては、日本で初めて走行距離に加えて、「運転特性」が保険料に反映します。
あいおいニッセイ同和のHPから引用
「タフつながるクルマの保険」の対象となる車は
「タフ・つながるクルマの保険」の加入対象となる車は以下の条件を満たす必要があります。
- 自家用8車種であること
- T-Connectナビを装備していること
- トヨタのコネクティッドカーであり、「T-Connect会員」であること
自家用8車種とは、自家用普通乗用車、自家用小型乗用車、自家用小型貨物車、自家用軽四輪乗用車、自家用軽四輪貨物車、自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン超2トン以下)、自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン以下)、キャンピングカーの8車種
安全運転スコアと走行距離で保険料が割引になる
「タフ・つながるクルマの保険」の保険料は。基本保険料と運転分保険料で構成されていて、運転分保険料は、毎月の走行距離と安全運転スコアで最大80%割引になります。
運転分保険料の計算方法
運転分保険料の計算は以下の計算式で算出されます。
安全運転スコアによる運転分保険料の割引率
安全運転スコア | 割引率 |
80点以上 | 80%割引 |
60~79点 | 40%割引 |
60点未満 | 割引なし |
あいおいニッセイ同和のHPから引用
安全運転をサポートするサービス
トヨタのコネクトサービスから受信した走行データから、ドライバーの運転特性を分析して、「安全運転スコア」を提供してくれます。
ドライブレポート
運転1回ごとにドライバーの運転特性を分析して、安全運転スコアの提供と、ワンポイントアドバイスで安全運転をサポートしてくれます。
ドライブレポートの内容は以下の通りです。
- 安全運転スコア(運転1回ごと)
- 安全運転の5段階評価(スピード、アクセル操作、ブレーキ操作)
- 運転アドバイス
- ドライブレポートマップ
- ABSなどの安全装置作動状況
- 空気圧などの車両からのアラーム情報
マンスリーレポート
1か月間の安全運転診断結果を保険料の割引で確認できます。
マンスリーレポートの内容は以下の通りです。
- 安全運転スコア(1か月分のデータ)
- 安全運転の5段階評価(スピード、アクセル操作、ブレーキ操作)
- 運転分保険料の請求額
- 保険料の割引額
- 安全運転アドバイス(詳細版)
- 保険料の推移
*ドライブレポートとマンスリーレポートは専用のアプリから閲覧することができます。
緊急時リアルタイムサポート
契約している車が事故などで強い衝撃を検知した場合に、自動的にコールセンターに通知して、事前に登録されている電話番号に「安否確認コール」を実施します。
「安否確認コール」では、事故直後のサポートや事故の受付だけでなく、状況に応じてレッカーやレンタカーの手配や救急車などの緊急車両の手配をしてくれます。
安心見守りサービス
事故が発生した場合に、事故の状況(事故の発生やケガの有無、救急搬送の有無)を事前に登録してあるメールアドレスに送信してくれます。
このサービスにより、事故の時ケガや救急搬送などで家族に連絡できない場合に、家族に事故の発生と状況を知らせてくれます。
また、高齢者や免許取り立てのドライバーが心配な場合、マンスリーレポートを登録した家族のメールアドレスに送信してくれるサービスも受けることができます。
あいおいニッセイ同和のHPから引用
まとめ
トヨタのコネクティッドカー戦略では、2025年までに車の保有台数の5割まで普及させるとしています。
この流れは他の自動車メーカーも追随して来ますので、通信機能を備えた車が今後普及してくると、「タフつながるクルマの保険」と同じ仕組みの自動車保険が他の損害保険会社からも発売されることでしょう。
損害保険大手4社は、独自のテレマティクス自動車保険を発売していますが、運転特性で保険料が割引になるのは、あいおいニッセイ同和の「タフ・つながるクルマの保険」だけですが、基本となる保険料は、日本独自の「ノンフリート等級別料率」であり、運転分保険料が最大80%割引になっても、保険料全体の割引率は約9%に過ぎません。
欧米のような真のテレマティクス自動車保険とはまだまだ差がありますので、今後の自動車保険の進化に期待したいものです。