もらい事故などの時に、相手が自動車保険に加入していれば、対物賠償責任保険で修理費の全額を賠償してくれますが、相手が自動車保険に加入していなかったり、加入していても、年齢条件や運転者範囲の範囲外のために自動車保険が使えなかったりした場合は、相手は自腹で賠償することになります。
ところが、相手が賠償金(修理費など)を支払う意思がなかったり、支払う能力がない場合は、自分が加入している自動車保険の車両保険で車を修理することになりますが、事故扱いになってしまうために、翌年保険料が高くなってしまいます。
「車両保険無過失事故特約」とは
車両保険無過失事故特約は、このような「もらい事故」の時に、相手が賠償してくれくてなくて、しかたなく自分の車両保険を使っても、事故扱いにならず、翌年の保険料に影響しない特約です。
車同士の事故の3件に1件以上は「もらい事故」です。
この特約に加入しておけば、万が一事故の相手が保険に加入していなかったりした場合に、自分の車両保険で車を修理しても、事故扱いにならず、自動車保険の保険料が高くならずに済みます。
「車両保険無過失事故特約」が使える条件
車両保険無過失事故特約が使える条件は、以下の①か②に該当する事故で、相手の車とその運転者または所有者が確認できる場合に限り、この特約を使うことができます。
①契約している車の使用または管理していた人に過失がなかったことが確定した事故(相手に100%過失がある事故)
②明らかなもらい事故の場合
主なもらい事故の例
「車両保険無過失事故特約」がある損害保険会社は?
車両保険無過失事故特約に加入できる会社は以下の通りとなっています。
保険会社名 | 「車両保険無過失事故特約」の有無 |
東京海上日動 | 特約あり |
損保ジャパン日本興亜 | 自動的に補償される |
三井住友海上 | 特約あり(H30年1月から自動的に補償される) |
あいおいニッセイ同和 | 特約あり(H30年1月から自動的に補償される) |
ソニー損保 | 特約なし |
アクサ損保 | 特約なし |
チューリッヒ | 特約なし |
SBI損保 | 特約なし |
セゾン自動車火災 | 特約あり |
イーデザイン損保 | 自動的に補償される |
三井ダイレクト | 特約なし |
JA共済 | 自動的に補償される |
*平成29年1月現在の内容です
この特約を付けた場合の特約保険料は損害保険会社や契約条件によって異なりますが、年間1,000円~2,000円くらいで加入できます。
まとめ
自動車保険の加入率は100%ではなく、無保険で車に乗っている人や、自動車保険に加入していても、契約条件に合わない人が運転していたり、保険料が未納で保険が使えない状態の人が結構存在しています。
そんな車に追突されたりすると、十分な補償がされないばかりでなく、いくら請求しても応じてもらえないことも珍しくありません。
そんな時に役に立つのが車両保険ですが、自分の車両保険を使うと、事故扱い(3等級ダウン事故)になり翌年保険料が高くなってしまいます。
そんな時のために、「車両保険無過失事故特約」を付けていると、ノーカウント事故になり、保険料が高くなりません。
この特約に加入しても、プラスされる保険料は非常に安いので、是非車両保険にプラスして加入しておきたいものです。
また、損保ジャパン日本興亜やイーデザイン損保、JA共済は特約ではなく、自動的に付いていますので安心ですね。