自動車保険の事故歴がリセットされるまでの期間
自動車保険の等級制度では、7等級から20等級は、満期日や解約日から7日間(満期や解約日の翌日から数えて)経過すると、等級がリセットされて、改めて加入すると新規加入扱いになり、6等級になってしまいますが、1等級から5等級はなんと13か月経過しないと、リセットされません。
また、自動車保険の等級制度は、全ての損害保険会社が参加している「情報交換制度」で厳しく管理されていますので、加入する自動車保険の会社を変えても、1等級から5等級の履歴はバレてしまいます。
1等級から5等級だけでなく「事故有り係数期間」リセットも13か月必要
2013年10月から採用された「等級制度」では、1等級から20等級のランク以外に、事故で自動車保険を請求した場合に、「事故有り係数期間」が適用されるようになりました。
事故有り係数期間とは
「事故有」の係数が適用される残りの年数のことです(初めてご契約される場合は「0年」とします)。
新契約の事故有係数適用期間は、3等級ダウン事故1件につき「3年」、1等級ダウン事故1件につき「1年」を加え、1年経過するごとに「前年の事故有係数適用期間」から「1年」を引きます。※事故有係数適用期間の上限は「6年」、下限は「0年」となります(「0年」の場合は、「無事故」の係数が適用され、「1年」~「6年」の場合は、「事故有」の係数が適用されます)。
1等級から5等級が13か月経過しないとリセットされないのと同様に、「事故有り係数期間」も満期日または解約日から13か月経過しないとリセットされません。
例えば、19等級で3等級ダウン事故を起こした場合、更新後の等級は16等級の「事故有り係数期間3年」が適用されますが、解約したり、満期で更新しなかった後に、13か月以内に再度自動車保険に加入すると、6等級の「事故有り係数期間3年」が適用されてしまいます。
車を譲渡した時の注意点
自動車保険の等級が1等級から5等級になったために、所有している車を他人に譲渡した場合に、車検証上の所有者を変更しないと、車を譲り受けた人にも1等級から5等級や「事故有り係数期間」が適用されてしまいます。
これは、車を譲渡したことが、車検証上の所有者欄に新しい所有者が記載されることで証明されるためで、古い所有者のまま新しい自動車保険に加入すると、前所有者の事故歴がリセットされずに残ってしまうからです。
必ず車検証の所有者は変更しておきましょう。
まとめ
自動車保険の等級制度は、どの損害保険会社の自動車保険に加入しても割引を受けることができる便利な制度なのですが、事故歴も業界内で共有化されていますので、デメリットもある制度です。
事故は起こしたくて起こすわけではありませんが、起こしてしまった事故歴は簡単にはリセットできません。
自動車保険を解約したり、満期で更新をしなかった時から13か月間で事故歴はリセットされますが、13か月間自動車保険に加入しないで車を運転することは、大きなリスクを抱えることになりますので、実際には難しいことです。
事故を起こして1等級から5等級になった場合は、保険料が高くなってしまうだけでなく、加入している自動車保険によっては、加入することができなかったり、車両保険を付けることができなかったりしますので、現在加入している自動車保険で更新を続けて、等級のランクアップをするようにしましょう。