自転車が歩道などで歩行者に衝突 過失割合は?

【過失割合を解説】自転車と歩行者の事故

自転車は道路交通法上で軽車両とされているので、70歳以上のの高齢者や13歳未満の児童・幼児、身体障害者などを除き、原則歩道を走ってはいけないため、自転車と歩行者の衝突の場合は歩行者が被害者となります。

歩道における自転車と歩行者の事故の過失割合

車道での自転車と歩行者の事故の過失割合

歩道と車道の区別がない道路の場合

用語の解説

児童・幼児・高齢者・身体障害者
児童とは6歳以上13歳未満の人のことで、幼児とは6歳未満の人のことです。
高齢者とはおおむね65歳以上の人のことで、身体障害者とは、車いすや杖をついている人、目が見えない人などです。

自転車の著しい過失
自転車の著しい過失の例としては、酒気帯び運転や2人乗り、無灯火、並進、傘を差しながらの運転、脇見運転、携帯電話での通話やスマホなどの画像の注視しながらの運転など。

自転車の重過失
著しい過失よりも更に重い、故意に近い重大な過失のこと。
自転車の重過失の例としては、酔っ払い運転やブレーキのない自転車など。

歩道における自転車と歩行者の事故の過失割合

自転車が歩道を走る場合、歩行の通行を妨げてはいけないし、歩行者がいない場合でも歩道の状況に応じた適正な速度で走行しなければなりません。

自転車が歩道を走っている場合の事故

自転車が歩道を走っている場合の事故
基本過失割合歩行者Ⓐ 0自転車Ⓑ  100
修正要素
歩行者Aが急な飛び出し+5 
歩行者Aが児童や高齢者 +5
歩行者Aが幼児や身体障害者等 +5
自転車Bが著しい過失 +5
自転車Bが重過失 +5

自転車が歩道外から歩道に進入しようとした場合

自転車が道路から歩道に進入する場合は、歩行者の通行を妨げてはならず、必ず歩道に入る前に一時停止をして、歩行者の安全を確認する義務がありますので、歩行者の過失は発生しません。

自転車が歩道外から歩道に進入しようとした場合 過失割合
基本過失割合歩行者Ⓐ 0自転車Ⓑ  100
修正要素なし
   

自転車が路側帯を走っている場合の事故

自転車は歩行者の通行を妨げない限り路側帯を通行できますが、あくまでも歩行者が優先であり、基本的に歩行者には過失は発生しない。
自転車が路側帯を走っている場合の事故 過失割合

基本過失割合歩行者Ⓐ 0自転車Ⓑ  100
修正要素
歩行者Aが急な飛び出し+5~10 
歩行者Aが児童や高齢者 +5
歩行者Aが幼児や身体障害者等 +10
自転車Bが著しい過失 +5
自転車Bが重過失 +10

自転車路側帯外から路側帯に進入しようとした場合

自転車路側帯外から路側帯に進入しようとした場合 過失割合
基本過失割合歩行者Ⓐ 0自転車Ⓑ  100
修正要素なし
   

車道での自転車と歩行者の事故の過失割合

ここでは、車道と歩道の区別のある道路で、車道を通行している自転車と歩行者の事故を想定している。
歩行者は歩道がある道路では、歩道を通行しなければならないので、車道を通行して自転車と衝突した場合は、原則過失が発生します。

歩行者が車道通行を認められる場合

歩行者が車道通行を認められる場合 過失割合
基本過失割合歩行者Ⓐ 10自転車Ⓑ  90
修正要素
幹線道路+5 
歩行者Aがふらふら歩き+5 
住宅街や商店街 +5
歩行者Aが児童や高齢者 +5
歩行者A幼児や身体障害者等 +10
自転車Bが集団通行 +5
自転車Bが著しい過失 +5
自転車Bが重過失 +10

歩行者が車道通行を認められない場合

歩行者が車道通行を認められない場合 過失割合
基本過失割合歩行者Ⓐ 25自転車Ⓑ  75
修正要素
幹線道路+5 
歩行者Aがふらふら歩き+10 
住宅街や商店街 +5
歩行者Aが児童や高齢者 +5
歩行者A幼児や身体障害者等 +10
自転車Bが集団通行 +10
自転車Bが著しい過失 +10
自転車Bが重過失 +20

歩道と車道の区別がない道路の事故

歩道と車道の区別がない道路では、歩行者は右側の端を通行しなければなりませんので。歩行者が右側を通行している場合とそうでない場合とで過失割合は異なります。

歩行者が右側の端を通行している場合

歩行者が右側の端を通行している場合
基本過失割合歩行者Ⓐ 0自転車Ⓑ  100
修正要素
歩行者Aがふらふら歩き+5 
歩行者A幼児や身体障害者等 +5
自転車Bが著しい過失 +5
自転車Bが重過失 +5

歩行者が左側の端を通行している場合

歩行者が左側の端を通行している場合 過失割合
基本過失割合歩行者Ⓐ 5自転車Ⓑ  95
修正要素
歩行者Aがふらふら歩き+5 
歩行者Aが児童や高齢者 +5
歩行者A幼児や身体障害者等 +5
自転車Bが集団通行 +5
自転車Bが著しい過失 +5
自転車Bが重過失 +10

歩行者が道路の中央寄りを通行している場合

歩行者が道路の中央寄りを通行している場合 過失割合
基本過失割合歩行者Ⓐ 10自転車Ⓑ  90
修正要素
歩行者Aがふらふら歩き+10 
住宅街や商店街 +5
歩行者Aが児童や高齢者 +5
歩行者Aが幼児や身体障害者等 +10
自転車Bが集団通行 +5
自転車Bが著しい過失 +10
自転車Bが重過失 +20

参考文献:「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」判例タイムズ社

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